受験生の皆さんへ

経済学部入学案内

経済学部の特色

日本,そして世界には,さまざまな経済問題が存在しています。失業問題,貧困問題,環境問題や金融危機への対応策のなど,解決をすべき問題・克服すべき課題は多くあります。そして,それらの問題・課題を解決するためには,日本経済のみならず,グローバルな視点から世界経済全体の仕組みに関する深い知識と洞察力が必要ですが、それとともに、揺るぎない判断・評価の基準と方法を身に付けることが大切です。

経済活動の主体は、私たち消費者・労働者という個人あるいは家計、財やサービスを供給し投資を行う企業、そして政策によって一国の経済活動に大きな影響を及ぼす政府(立法・行政・司法)です。それぞれの経済主体が何を目指してどのように行動するのか、個々の経済主体の行動がどのように影響し合い、その結果として何がもたらされるのか、また実際に何が起きているのかを分析するのが、経済学の役割です。経済学は、厳密な理論体系と実証分析の方法により、個人の日常のさまざまな意思決定から企業の戦略・政府の政策の立案まで、いくつかの選択肢から、一定の制約条件の下で何が最も望ましい選択なのかを考える判断基準を与えてくれます。

つまり、経済学は、世の中をより良くするために何が必要で、そのために誰が何をすべきか、すべきでないかを考える指針を与える学問であると言えます。正に「経世済民の学」であり、経済・社会のリーダーに必要な帝王学、また私たちの意思決定の助けとなる真の教養です。経済学部には多彩な分野・科目がありますが、それは経済学の守備範囲と関連分野が広く、経済学の考え方と分析方法が社会生活のあらゆる場面に適用できるからです。もちろん、企業の経営戦略、会計、金融、マーケティング、人事・労務など、主に商学部で扱う分野も、経済学の視点と方法で研究することができます。経済学の視点と方法は、皆さんが将来何をするときにもきっと皆さんを助けてくれます。だから、大学で何を学ぶか迷っている人こそ是非、経済学部に来てほしいと思います。


経済学部のプログラム

一橋大学経済学部では,優れた能力を持った若い人たちが経済学を学び,ビジネスの世界,政策立案の分野で,あるいは,教育・研究の分野で活躍してほしいと願っています。そのため,我々は優秀な教授陣を擁し,世界的に見てもトップクラスにあると自負するプログラムを提供しています。

・ 「グローバル・リーダーズ・プログラム」では,英語による経済学の講義を開講し,「英語で経済学を学ぶ」ことを目指しています。学部2年次にグローバル選抜クラスを設け,英語による講義の履修や短期海外調査への参加,長期海外留学などを推奨し,グローバルな視点からの課題発見・解決能力を身につけることを学生に求めています。

・ 「5年一貫教育システム」では,学部教育と大学院修士課程の教育をスムーズに連動させ,学部入学から5年間で修士号が取得できるようになっています(通常は学部4年,修士2年の6年間必要)。ビジネスの世界でも経済の専門知識が求められる現在,大学院修士レベルでの経済学の理解は,仕事上,強力な武器となります。

・ 一橋大学では「一橋大学海外派遣留学制度」による交換留学も推進しており,後援会組織である「如水会」の援助を受けながら,半年から1年程度,協定を結んだ海外の大学へ留学して,グローバルな視点を広げるための研鑽を積むチャンスがあります。

こういったプログラム・システムは組み合わせて利用することも可能で,例えば,グローバル選抜クラスに所属しながら,1年間海外留学し,5年で修士号まで取得する,ということも可能です。その他にも,さまざまな魅力ある講義やプログラムを提供し,経済に対する深い理解に必要な教育を展開しています。


カリキュラムの特徴

経済学部の学生は,各自の興味と進度に応じて,経済学に関する授業科目を柔軟かつ段階的に履修することができます。授業科目は,3桁の番号を付して段階的に分類されています。すなわち,すべての科目は,レベルに応じて,入門科目からなる100番台科目,基礎科目の200番台科目,専門・発展的科目の300番台科目に分けられています。さらに,意欲ある優秀な学生には,大学院入門科目の400番台科目を開放しています。

各レベルにおける基本科目群は,コア科目として,必修または選択必修とされています。例えば100番台では,「経済学入門」,「統計学入門」,「経済史入門」の3科目が必修です。これらは経済学の各領域に関する基礎知識を教える科目であり,高校教育からの転換,そして経済学への入門として必須の科目となっています。また,200番台では,「基礎ミクロ経済学」,「基礎マクロ経済学」,「基礎計量経済学」の3科目のうち,任意の2科目が必修です。これらは,100番台に続き専門的な科目への橋渡しとして,経済学に必要な基礎を講じる科目です。300番台科目は,より専門的なレベルの科目から成り,各分野の科目が豊富に提供されています。学部卒業要件は,このレベルまでの講義で満たすことが可能です。

さらに,上述の通り,大学院科目である400番台科目の履修も可能となっています。400番台科目には,コア科目として「上級ミクロ経済学」,「上級マクロ経済学」,「上級計量経済学」,「比較経済史Ⅰ・Ⅱ」,「中級ミクロ経済学」,「中級マクロ経済学」,「中級計量経済学」が置かれています。経済学部では,学部卒業後,1年で大学院修士課程を修了する「5年一貫教育システム」を導入しており,より高度の専門的職業を目指す学生には,学部卒業後,追加的に1年で修士号を取得して社会に出る道を開いています。そのために,学部在学中に履修した400番台の科目の一部を,修士課程の履修単位として持ち越すことができるようになっています。2006年以降,この制度による数多くの卒業生が社会に出ています。また,世界的な視野で問題を発見し,解決する能力を備える「グローバル・リーダー」の育成を目指して,2013年度から「グローバル・リーダーズ・プログラム」が本格的に始動しました。経済学の基礎から専門科目まで日本語と英語の両方で履修でき,英語ネイティブ教員による英語スキル科目,アジア新興国や欧州への短期海外調査,海外の協定校への長期留学の機会も提供されます。

さらに「法学副専攻プログラム」を通じて法学部開講科目を系統的に履修でき,経済の諸問題の理解と解決に必要な法律の基礎を身につけることが可能です。

多くの学生がこれらのプログラムに参加することが期待されます。


メッセージ

 一橋大学経済学部は,広い視野から経済を理解したいと思う学生を歓迎しています。経済に対する専門的見識と幅広い教養を備えた若者を育て,社会に送り出していくことが我々の重要な社会的使命の一つと認識して,学生とともにに我々も前へ向かって進んでいます。


受験生向け情報サイト

http://juken.hit-u.ac.jp/