商学部との違いが今ひとつはっきりしないのですが。

経済学における「経済」とは、さまざまな産業においてモノやサービスが生産され、それらが市場で取り引きされ、 消費されるという循環的プロセスのことを意味します。この循環的プロセスを大局的観点から研究し、そこに存在する 特徴や法則性を見いだそうとする学問が経済学です。医師が患者の病気を診断して治すように、経済が病気になったときの 処方箋を求め、最終的には国レベルの改善への有効な指針を示そうとする学問です。経済学部の卒業生が民間企業だけでなく、 官庁や民間のシンクタンク、世界銀行などのような国際機関、大学院へ進んでいることはこうした経済学の学問的姿勢を表しています。 これに対して、商学部(や経営学部)は、現実のビジネスや経営のノウハウに関することを実学的に学びます。 個別企業においていかによい経営を行い、利益を上げるかということに興味の中心があります。このことを反映して、 商学部の卒業生の多くは民間の企業へ就職しています。

大学院への進学が1割というお話でした。これは理科系と比べると少ないと思われますが。

確かに、経済学などの社会科学においては、大学院への進学率が理科系ほどではありません。その主たる理由は、 民間企業だけでなく公的な機関でも、理科系の学生に対しては、修士レベルの能力を必要としている職業が多いという ことによるものと考 えられます。現在では、経済学部の卒業生に対しても、高度な知識や能力を必要とする職業が増加しています。例えば、 銀行や証券会社などの金融機関において派生証券の開発や運用に携わる部門、国連や世界銀行などの国際機関、国や県 などの官公庁、民間の研究機関やシンクタンクなどにおいては、最初から経済学に関する専門的能力が期待されています。 このような高度専門職を目指す場合は、大学院進学を視野に入れておいた方がよいでしょう。

数学を受験科目にしない経済学部が多いのに比べ、ここでは必須科目となっている。 それだけのメリットがあるのだろうか。

経済学は文科系理科系という枠組みでくくられない、幅広い学問です。経済現象に関する理論法則を解明しようとする 分野では、数学の利用は不可避であり、非常に高度な数学を使います。また、膨大な経済データに基づいて、 複雑な経済現象を分析する場合にも、数学は必要です。他方で、経済学は、人間と社会を対象とする社会科学であり、 理論や数学だけでなく、社会的、歴史的など、より広い観点から研究しなければならない分野も存在します。 また、理論と応用の両面から研究しなければならない分野もあります。いずれにしろ、数学を勉強しておくことは、 経済学を理解する上で非常に重要です。

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