数学の勉強法

教授 山田裕理

経済学では、数式やグラフが多数使われています。経済現象を記述するには、数学を用いる必要があるのです。現象を記述するのにとどまらず、論理的構造を探求し理論を構築するとき、数学は大きな力を発揮します。物理学や工学をはじめ様々な分野で数学が使われていることはよくご存知と思いますが、経済学でも皆さんが考えている以上に数学が活用されています。そのため、大学で経済学を学ぶ際には、数学も平行して勉強する必要があります。

数学の勉強法ですが、もちろんうまい方法があるわけではありません。ここでは、数学を勉強するにあたって参考にしていただきたいことをいくつか挙げることにします。

まず、数学は論理的に構成されていますから、段階を追って順に学習しなければなりません。微分積分、線型代数の入門から始めます。できれば、集合や写像、位相といった基本的な概念、用語も勉強しておくとよいでしょう。このレベルでは、1回の授業につき30分ないし1時間復習すれば、十分理解できるはずです。例題を計算し、納得するまで考えることが肝要です。考えてもわからないときは、友人か先生に質問してみましょう。

微分積分、線型代数を身につければ、かなり広い範囲でそれらを活用できます。しかし経済の分野によっては、さらに高度な数学が要求されます。その場合には専門的な数学を勉強することになりますが、時間をかけて丁寧に論理を追うことがより大切になります。微分積分、線型代数の先には、レベルも分野も多彩な数学の世界が広がっています。どの分野のどの程度の数学を勉強すればよいのか判断に迷うときは、先輩か先生に相談するとよいでしょう。

本を読んでいてわからない箇所に出会ったら、別の本を調べてみましょう。同じ内容でも、記述が異なると理解しやすくなることがあります。 好みにもよりますが、ページ数の多い厚い本の方が、簡潔に書かれている薄い本より読みやすいこともあります。図書館には多数の本が揃えられていますから、その中から自分に向いた 本が見つかるかもしれません。図書館に行ったついでに、「数学セミナー」、「数理科学」、「数学」などの雑誌を手にとってみてください。様々なレベルの多様な数学を知ることができます。

新しいこと、それまでわからなかったことが理解できたときの喜びを大切にしたいものです。楽しく勉強できれば、能率が大いに向上するはずです。