[ 2008 冬 基礎講義(実験経済学) 後期 火曜 3限

[ 授業概要 ]

実験経済学 (Experimental Economics) を講義します。ミクロ経済学の教科書に登場する「合理的な個人」は、あくまでフィクションです。経済モデルのなかでは、シンプルな効用関数の最大化を行動規準とする個人がいますが、現実世界の人間はもうすこし複雑です。実験経済学は、実験室(ラボ)のなかに生身の人間である被験者をいれ、彼らを経済モデルと同じような状況下におきます。そして被験者たちの実際の行動を観察します。それによって、経済モデルと現実とのギャップをうめていこうとするのが実験経済学という経済学の一分野です。オークション、公共財、ゲーム理論、市場取引、協力行動など、多くの分野で経済実験が行われてきました。それらの結果を見ながら、経済的な意思決定についてのわれわれの理解がどのように深まるか考えます。また実際に教室内で模擬実験をし、履修生は被験者として参加します(任意参加です、強制ではありません)。それらの実験結果も講義で扱います。

参考リンク(新しいウィンドウで開きます)

行動経済学の第一人者 Colin Camerer (コリン・キャメラー)へのインタビュー記事
「脳と行動の関係を解明、より良い選択を目指す」(日経ビジネスアソシエ)
Level-k思考実験を数千人を対象に大規模で行った Montier の論文
"Who's a Pretty Boy Then? Or Beauty Contests, Rationality and Greater Fools"


[ 学部・学年の指定 (Who Should Attend) ] 最終更新日:2008-09-25

経済学部の1年生・2年生を主な対象とした内容とレベルですが、経済学や実験経済学に興味があれば、学年・学部は問いません。一橋大学の入学試験をクリアする学力レベルがあれば、ミクロ経済学の知識は特に必要ありません。(履修希望の人数が多い場合には抽選によって、履修登録を制限させていただくことがあります。履修を希望する方は、初回(10月6日)のガイダンスに必ず出席してください)。

[ 授業の目的・到達目標と方法 (Goals & Methodology) ] 最終更新日:2008-02-07

経済学のモデルやその仮定をそのまま受け取いれるのではなく、モデルの意義や根底にある概念を理解するためにも、「現実」とのギャップを理解しておく必要があります。この授業を履修することによって、モデル(の仮定)にどういった限界や意義があるのかを常に意識できるようになれば、目的は達成されたとします。

[ 授業の内容・計画 (Topics / Schedule) ] 最終更新日:2008-02-07

現在執筆中の教科書の内容にそって行う予定です。ミクロ経済学の基本的なモデルのエッセンスを実験によって確認していきたいと思います。トピックは、市場、独占、効用関数、オークション、公共財、協力行動を扱います。詳細な日程表は講義初日にアナウンスします。

[ テキスト・参考文献 (Textbooks / References) ] 最終更新日:2008-09-24

テキストは特にありません。参考文献として以下の本があります。
川越敏司,『実験経済学』東京大学出版会, 2008.
西條辰義 (編著), 『実験経済学への招待』, NTT出版, 2007.
リチャード・セイラー, 『セイラー教授の行動経済学入門』 篠原勝訳, ダイヤモンド社, 2007.
Kagel, J. and A. Roth (eds), Handbook of Experimental Economics, Princeton University Press, 1995.
Holt, C. (eds), Markets, Games, & Strategic Behavior, Addison-Wesley, 2006.

[ 他の授業科目との関連・教育課程の中での位置付け (Relation with other Courses) ] 最終更新日:2008-02-07d

実験経済学は比較的新しい経済学の一分野です。特にミクロ経済学(行動経済学)や公共経済学とかかわりが深いです。

[ 成績評価の方法 (Requirements & Grading Allocation) ] 最終更新日:2008-02-07

1)宿題・レポート40%、期末試験60%。とします。ただし、講義の履修が確定した時点で、希望する人は、次の得点配分方法を選択することもできます。
2)宿題・レポート36%、期末試験54%、+実験での得点10%。
10%分は、経済実験に真剣に参加してもらうための「インセンティブ(incentive=動機)」づけに設定します。実験に参加してもらい、そのパフォーマンス(得点・到達度)を成績評価の10%に換算します。出席点のようなものだと考えてください。1を選んだ学生と2を選んだ学生に差がでないように、最終的に、実験での得点の平均を調整します。詳細については学期のはじめのほうで何回かアナウンスします。なお、1を選んだ学生も、実験に参加できます。

[ 成績評価基準の内容 (Grading Criteria) ] 最終更新日:2008-02-07

以上の得点配分の上で、経済学部の標準的な方針に準じます。詳細は講義初日にアナウンスします。

[ 受講生に対するメッセージ (Message to Students) ] 最終更新日:2008-02-07

まじめに楽しく勉強しましょう。

[ その他 (Additional Information) ] 最終更新日:2008-09-25

For further information in English, please send an e-mail to me.
ちなみに、私の3・4年のゼミの開講は、いまのところ予定しておりません。

履修希望の人数が多い場合には抽選によって、履修登録を制限させてい6ただくことがあります。履修を希望する方は、初日(10月7日)のガイダンスに必ず出席してください。