このたびの東日本大震災で、ご家族や親しい方を亡くされた方々にお悔やみを申し上げます。また、被災なさり今なお困難な生活を余儀なくされている方々にお見舞いを申し上げます。
いま、「日本の復興」が呼びかけられています。未曽有の大災害を経験したわが国は、社会経済システムの再構築を必要としています。それと同時に、経済のグローバル化、人口の高齢化が急速に進み、地球環境問題などの難題の解決も急がれる中で、中長期的にどのようなシステムを構築すべきか、私たちは真剣に考えなければなりません。このような時にこそ、経済学を学ぶ意義は大きいといえます。経済学的な考え方が、新たなシステムの構築には不可欠です。10年後、20年後の社会経済システムがどうあるべきかという、将来へのヴィジョン・目標を描くこと。様々な政策や制度改革の効果を、実証的に明らかにすること。人々のインセンティヴに適合するようにメカニズムをデザインすること。いずれも、経済学の主要問題です。
まずは社会・経済の仕組みを深く理解する必要があります。経済学は、理論の構築と、データや資料による検証という科学的な方法によって、社会・経済のメカニズムを解明し、より良い社会への道筋を示すことを目指しています。体系的な本学部・大学院のカリキュラムを活かして、基礎から高度なレベルまで、知識と分析力を着実に高めていってください。
本研究科には、世界レベルで先端的研究を行っている教員が多数います。ゼミナールや講義の中で、研究者が未知の問題に取り組む姿勢、ものの見方・考え方を身につける機会が豊富にあります。また、留学制度や「学部・大学院5年一貫教育システム」、「修士専修コースの専門職業人養成プログラム」なども積極的に活用し、高度な専門職に活かせる能力を磨くことを計画してみてください。
今やビジネスの世界ですら、狭い私的利益の追求ではなく、社会復興や地球環境改善などの社会的利益に貢献する企業が成長する時代です。大きなヴィジョンをもちつつ、日々小さな努力を積み、皆さんひとりひとりがそれぞれの社会貢献の道を見つけることを期待しています。
研究科長 蓼沼 宏一