受験生の皆さんへ

入学案内

日本をとりまく経済・社会は大きな転換期を迎えています。国内では少子・高齢化が進み、社会保障の持続可能性が危ぶまれています。労働人口の減少やイノベーションの停滞による生産性の減退も問題となっています。ITやAIの進歩に伴って市場経済の独占化が進行し、貧富の格差拡大も懸念されています。また、リベラルな価値観が後退しポピュリズムや排外主義も広がりを見せています。地球温暖化や深刻な環境汚染、国際的な貿易紛争や地域紛争・民族紛争の拡大など国境を越えた課題も山積しています。

本研究科が目指すのは、最先端の経済学の知識と高度な分析能力を備え、これら複雑な経済社会の現象を的確に把握し、重要な課題を発見し、これを解決することができる研究者および実務家を育成することです。そのために本研究科では、ミクロ経済学、マクロ経済学、政治経済学、統計学・計量経済学、経済史等の各分野において、コア科目を中心とする積み上げ方式のコースワークおよびゼミナールによる論文指導から構成される体系的な教育システムを採用しています。

修士専修コースでは、高度な専門知識を備えた実務家の育成を目的とする専門職業人養成プログラムが開設されています。このプログラムは「公共政策」「統計・ファイナンス」「地域研究」「医療経済」の4つの分野で構成されています。実学志向の高度な専門教育を施すことを通じて、現場感覚を持った専門職業人を養成することを目指しています。一方、博士号まで射程に入れてさらに高度に学びたい研究者志向の学生には「研究者養成コース」から博士課程に進学する道が用意されています。また、博士後期課程への編入学制度も整備されています。

本研究科に入学を希望する学生には、高い学習意欲と知的探究心を持ち、思考力と忍耐心を備え、経済学の基礎知識に加えて英語力を含むコミュニケーション能力を持っていることが望まれます。優秀な教授陣を擁し、世界的にもトップクラスにあると自負する私たちのプログラムに熱意ある学生が集まることを期待します。ひとりでも多くの皆さんが、私たちの教育システムを積極的に活用することによって、世界に通じるプロフェッショナルとして活躍されることを期待しています。