教員紹介

井伊 雅子(いい まさこ)

主な研究テーマ

(1) 不確実性下の医療に指針を与える情報と合理的意思決定の分析
(2) 質と財政の両立を目指す保健医療制度構築に資する基盤研究
(3)ヘルスリテラシーを高めるための情報ソースのあり方の探究
(4) 保健医療費統計の国際比較

日本の医療制度はフリーアクセスのため、地域住民は自己責任で医療機関を選ばなければならない。医療情報は不足しており地域の保健医療提供体制もわかりにくい。住民のヘルスリテラシーも低い。単なる医療や介護給付費抑制のための研究ではない。ケアの質を高めつつ、財政に寄与する費用対効果分析の導入によって適正医療を示し、必要な時に社会保障費の負担を受け入れるべきかを地域住民が判断するためのエビデンスを提供したい。そして、これらの成果をケアの現場で生かすための人材育成、データ整備、ネットワークをはじめとする仕組みづくりを研究している。プライマリ・ケアと呼ばれるこのシステムの導入は、諸外国と比べ日本では特に遅れている。

講義およびゼミナールの指導方針

学部では東京医科歯科大学との連携講義で医療経済論、2018年度からはゼミナールも担当。ゼミナールは、経済学の考え方を学びつつ、論理的に政策議論ができることを目標にしている。行動経済学や意思決定理論などの医療経済学への応用例、統計を用いた分析方法も学ぶことを目標にしている。

大学院は主にアジア公共政策プログラムで統計・計量経済学,社会政策の経済学、ゼミナールなど (英語による)を担当している。東京医科歯科大学の医療管理政策学(MMA)コースでは医療経済論を担当している。専門職大学院の教育として,理論と現実の政策の接点に重点をおいて講義を行っている。

教員HP
http://masako-ii.jimdo.com/
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