(1)現代中国の住民自治と国家・社会関係
(2)中国における農村開発と地域組織
中国における住民自治の存立構造について、農村と都市においてフィールド調査を基に研究を行っている。農村については、下記研究業績欄に示した「農村自治の成立構造と展開可能性―村落組織の自律性と共同性をめぐって―」などで、国家により提唱された村民自治制度の中央、地方レベルでの政策の意図と現地における浸透、基層社会の側の自治の論理について明らかにした。都市については、「中国の都市と農村における「社区建設」」等において、都市の住民参加とコミュニティ形成について論じている。
また、農村開発のプロセスにおける行政、村(自治組織)、農民組織、個々の農家の関係構造の把握や、地域住民の主体性の確立の問題を検討している。このテーマに関しては、下記研究業績欄の「村落合併から考える中国農村の「公」」、「中国におけるグリーン・ツーリズムの展開と村落自治組織-村民自治制度、農村土地所有制度との関連から-」、『中国の「村」を問い直す』等で論じている。
中国語では、初級段階では、正確な発音の習得を重視し、その上で初歩的な文法理解に基づいた日常会話の力をつけることを目標としている。中・上級は、主として講読の授業を担当し、ニュース、評論記事の読解力を養成することを目標にしている。
「中国社会論」は、地域比較の視点を身につけることや学部後期の専門的学習の基礎となるよう、社会、経済、政治等の多面的な角度から現代中国の基本的なあり方を論じると共に、特に社会構造の変動分析に焦点をあてた講義を行っている。「経済文化C」は、輪読形式で、中国の経済現象について社会・文化的な側面からの分析・検討を行っている。
学部後期ゼミナールは共通ゼミとして開講し、現代中国の社会変動を主たるテーマとして、基本的な文献の輪読の後は、参加者が各自の関心に即してより具体的な研究テーマを設定し研究を進める方針をとっている。
大学院講義の「各国経済思潮」では、現代中国における経済社会問題について、日本語はもとより、中国語、英語の文献の輪読を行っている。大学院ゼミナールでは、参加者と相談の上、テキストの輪読と各自の研究報告を組み合わせた形での指導を行うこととしている。