在学生の皆さんへ

博士学位論文について

経済学研究科では、ひとりでも多くの学生がスムーズに博士号を取得することができるように、博士学位論文の作成を支援するためのシステムを構築しています。ここでは、博士号取得までのプロセスについて簡単に紹介します。博士号を取得するとはどういうことかについてのイメージをつかんでもらえれば幸いです。詳細については、大学院『学生便覧・講義要綱』、『経済学研究科履修ガイド』を参照してください。

現在のシステムの下では、博士号を取得するために、以下の4つのステップに従って、博士学位論文の作成が行われていくことになります。

1.「博士論文指導委員会(コミッティー)」の設立

まず、博士後期課程1年次以上に在学する学生には、指導教員とよく相談し、博士論文指導委員会(コミッティー)を設立してもらいます。このコミッティーは、指導教員を含む2名以上の教員からなり、当該学生の指導教員が原則として委員長を務めますが、他の委員に関しては本学の他研究科の教員が務めることもできます。委員会の設立後、学生はその構成メンバー(教員)と仮の論文題目を研究科長に報告(様式①:博士論文指導委員会設立報告書(Word形式))します。なお、コミッティーを設立した学生は、その後、毎年4月末(秋季入学者は毎年10月末)までに論文執筆の進捗状況を研究科長に報告しなければなりません。この報告は、別途提出が課せられる「研究指導計画書」(様式②:研究指導計画書【博士後期課程】(Word形式))の提出をもって代えます(別途案内があります)。また、それぞれの報告の中では、論文の提出予定時期を明記し、コミッティー委員長のコメントを得る必要があります。

2.「博士学位論文計画書(プロポーザル)」の提出

博士学位論文を提出する学生は、できるだけ早い時期に学位論文計画書(プロポーザル)に添え状(様式③:博士学位論文計画書(プロポーザル)Cover letter(添え状)(Word形式))を付してコミッティーに提出し、その審査を受けるようにします。審査は、原則として1ヶ月以内に行われます。コミッティーは、プロポーザルの審査結果を研究科長に報告(様式④:博士学位論文計画書についての審査報告(Word形式))し、当該学生にも通知します。

3.「博士学位論文」の提出

プロポーザルの審査に合格した者は、2名の推薦者(通常はコミッティーのメンバー)の了承を得た上で博士学位論文を提出することができます。提出時期は任意ですが、当該年度のうちに博士学位を取得しようとする者は、原則として毎年10月末日までに提出することが必要です。

4.「論文審査・口述試問 (公開)・最終試験」

受理された博士学位論文は、3~5名の論文審査委員(推薦者2名を含む)によって、原則として3ヶ月以内に「論文審査」を受けます。「論文審査」の過程で、公開の「口述試験」が行われ、論文審査終了後行われる「最終試験」に合格すれば、博士号取得(博士学位授与)ということになります。

博士学位論文の提出のための、コミッティーの設立、論文執筆の進捗状況の定期的な報告、プロポーザル提出という過程は、2001年度に導入されたもので、この過程を踏むことが義務となっています。このような過程は学生の負担になるようにも思われるかもしれませんが、上記のプロセスを見てもらえればわかるように、博士学位論文提出時点で必要となる推薦者の決定を早めに行い、論文完成に向けて着実に歩んでいくための道標(ガイドライン)を提供するものです。

博士学位論文執筆という大変な作業の中で、しばしば学生はいろいろなところに迷いこんでしまいますので、博士号取得までの1里塚をいくつか立てておこうというのがこのプロセスの趣旨です。